G17勝を挙げ、08、09年の年度代表馬に選ばれたウオッカ(牝6歳、栗東・角居厩舎)の現役引退が7日、管理する角居調教師から発表された。同馬は、現地時間の4日にドバイで行われたマクトゥームチャレンジ・ラウンド3で8着に敗退。その後、鼻出血を発症したため、ラストランに予定していたドバイ・ワールドC(27日)を前に、現役を退くことになった。今後は、昨年の凱旋門賞馬シーザスターズと種付けするため、アイルランドのギルタウンスタッドへ向かう。
消え入りそうな声が、名残惜しさを表していた。弥生賞の勝利者インタビューの後に行われた、ウオッカの引退発表会見。角居調教師は、言葉を絞り出すように、経緯を説明した。
「ああいう失速をするタイプの馬ではないので、レース直後から『何かあったのではないか』と不安に思っていた」。マクトゥームチャレンジ・ラウンド3は、好位で進めながら、直線の伸びを欠き8着に敗退。その後、馬運車で厩舎に戻って来た時に、鼻出血を発症していることが確認された。昨年のジャパンCのレース中にも起きているだけに、陣営は決断を迫られた。
「オーナーと会って、ひと言目で、お互いにそういう(引退)言葉が出て来た。本番のレースを使えないのは残念だが、これ以上無理をさせるのはかわいそうだということと、繁殖牝馬としての仕事が待っているので、引退させようということになった」。ドバイ・ワールドCには向かわず、現役を退くことが決まった。
同馬とのコンビで、G13勝を挙げた武豊は、これまでの戦いを感慨深げに振り返りつつ、繁殖としての活躍に期待を寄せた。「G1をいくつも勝たせてもらい、感謝している。ここ数年、日本の競馬を引っ張ってきた馬なので、お疲れ、ありがとう、と言いたい。チャンスがあれば、子供にも乗りたい」。
5年間に及ぶ現役生活で、通算26戦10勝。JRA・G1は、最多タイの7勝を挙げた。記録にも、記憶にも残る名牝だ。「牝馬でダービーに向かったり、いろんなことに挑戦させてもらって、どのレースも思い出深い。子供は、できればウオッカのようにおしとやかでいてくれたら」と角居師。今後は、何年かアイルランドに滞在して、産駒を日本に送り込む予定。女傑のDNAを受け継いだ若駒が競馬場に姿を現す日が待ち遠しい。
四位騎手(ダービー制覇のパートナー)「初めてダービーを勝たせてもらったし、歴史に残るレースで鞍上にいられたのは光栄なこと。競走馬はいつか引退するものだけど、いい子供を産んでほしい。そして、牧場へ無事に帰って来てほしい」
ドバイでラストランというとどうしてもホクトベガが脳裏に浮かぶので、何事もなくてよかったと思います。子供を楽しみにしている。
